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    Amazon Kindleアンリミテッド本「間宮林蔵」(吉村昭)読了

    AmazonのKindleアンリミテッドの無料本。

    買うと¥990ー
    文庫本だと¥1034ー
    というお値段。


    7月25日(金)に読み始め、
    9月9日(火)に読み終えました。


    (私のKindleのライブラリーより)
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    千島列島の北方領土である択捉島でのロシア襲撃事件から話が始まります。


    さっそく、ネットで古地図などを調べて、地理学習

    子供の頃は、至る所に「返せ北方領土 択捉 国後 歯舞 色丹」のポスターが貼られていたので、
    4島(諸島)の位置関係は分かるのですが、
    細かな地名に関しては全く分からず。

    地名が出てきたら、いちいちメモをし、調べ、
    最初のうちは、読み進めるのに時間がかかりました。




    間宮林蔵に関して私が持っていた知識

    高校の日本史の教科書での短い記述からのみ。
      「樺太探検をし、樺太が島であることを発見した」



    そんな状態で読み始めたこの作品、
    最初に読み取った間宮林蔵の人物像は、
    慎重だけれど、気が強い。また、自分を守る知恵も持っている、
    そんな人。

    択捉島での襲撃事件で、襲ってきたロシア人と戦うべしという意見を持つ間宮林蔵。
    幕府に衷心的であり、実に気が強い。



    予想とは違っていた人物像

    驚くと同時に、
    未知の土地に探検に入るような人物は、これくらい向こうっ気が強くないと無理だろうとも感じました。


    その後、
    幕府の処分から逃れ、
    実地調査をするようになったきっかけは何だったのか、
    さらに、樺太探検に行く背景には何があったのか、
    若い頃の林蔵が、丹念に記述されており、
    次々と現れる江戸時代の役職名と漢字盛りだくさんの名前には辟易しつつも、
    楽しく読み進めていきました。



    この小説で読み応えがあったの場面は、
    2回にわたる樺太探検。

    厳しさは、想像を絶するもので、
    彼が生きて帰って来ることが出来たのも、
    アイヌの人々の協力や、
    現地の人々との交流や、
    いくつもの「幸運」があってのことだったのだと知りました。
    もちろん、林蔵の勇気と配慮と頑健な肉体があってのことですが。




    北に蚊?

    北の土地は蚊なんていないと思っていた私でしたが、
    蝦夷地でも、樺太でも、アムール川流域でも、
    大量の蚊とアブ?に刺され、激しいかゆみに苦しむ描写が所々あり、
    自分の知識の浅さを実感。

    一方、
    今、北海道では、ヒグマ問題が深刻ですが、
    この小説の中ではヒグマに対する恐怖の記述はほぼゼロ。
    大量の蚊による攻撃に辟易する様は何度も出てきましたが、
    ヒグマに関しては、
    地元で雇ったアイヌの男性が怖がって探検の途中で帰ってしまった記述はありましたが、
    林蔵が怖がっている場面の描写は出てきませんでした。




    シーボルト事件の奇蹟

    林蔵は、2回の探検によって、樺太が、大陸に続いている半島ではなく、島であることを発見したのですが、
    その海峡が「間宮海峡」と名付けられているのも、
    シーボルトによる、日本・蝦夷地・樺太の地図の海外への流出・・・密輸(というのかな?)だったというのも、
    すべてが偶然。
    奇蹟のような背景でした。




    様々な人物たちとの交流と彼の晩年

    後半は、
    伊能忠敬との交流、
    渡辺崋山や高野長英との交流と「蛮社の獄」事件、
    実の両親への思い、
    晩年の林蔵の世話をしてくれた1人の女性のこと、
    などなど、
    樺太探検から帰ってきて江戸をすみかとしつつ全国へ隠密行脚をしていた林蔵の人生が、
    彩り豊かに描かれている1冊でした。




    吉村昭さんの力量に感嘆

    点在する資料の断片をつなぎ合わせ、
    心情を想像し肉付けして、1つの小説に仕上げていく吉村昭氏の手腕がすばらしい、
    そんな1冊。




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    by akanesasu0124 | 2025-09-11 07:30 | 読み物・本 | Comments(0)

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