雨降る夜に思う:父の軽トラとハチのこと
2025年 10月 16日
雨がまた降り始めた。
けっこうな音を立てて降っている。
こんな夜は、
洗面所の窓の小さなヤモリも、
ノラ猫の茶トラ君も、
キジちゃんも、
姿を見せない。
*****
今年の1月に実家の父が乗っていた軽トラを処分することになった。
自動車屋さんとの約束の日の、
実家に出かける前の早朝、
当時、毎朝毎夕やって来るノラ猫のハチが姿を現した。
いつものように、ゆったりとやって来て、
悠然と去って行く。
その後、私は車を走らせ、実家に行き、
軽トラのキーを自動車屋さんに渡し、
午後3時過ぎに帰宅した。
心の中には、少しの喪失感と
父に対する罪悪感とがあった。
土に帰った父は、もう軽トラを運転することはないのだけれど。
その日の夕方、
ハチがやって来るのを待っていたが、
待てど暮らせど、
ハチは現れなかった。
翌朝も、
翌日の夕方も現れなかった。
今日はハチが来るのではないかと思い、
来るのを待つ日々が続いたが、
春になっても、
夏になっても、
ハチが現れることはなかった。
元は飼い猫だったのか、
いつからこの辺りに来るようになったのかは定かではないが、
なぜか、雨の日には必ずやって来た。
こんな土砂降りの日は来ないだろうと思うときでさえ、やって来たハチ。
雨ふる音を聞いていると、そんなハチを思い出す。
そして、父の軽トラも懐かしく思い出す。
私の生きる世界から、父の軽トラとハチとが一緒にいなくなってしまった日の、
忘れられない出来事。
by akanesasu0124
| 2025-10-16 20:51
| いきもの・植物
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